'04年7月 20日(火)

恐怖の2分間(携帯編)

昨日に引き続き、メガタクシー(FX)でのホールドアップ被害者が書 いた体験談です。この被害者の女性の悲劇は携帯を取られただけでは終わらなかっ たのです。前半は、恐怖の2分間(FX編) をお読み下さい。この後半は、ホールドアップそのものというよりも、 フィリピンの電話事情までわかる内容になってます!?

発砲から数分して周りにいた人たちが我々が車から降りるのを助けてくれて、近 くの家へ連れて行ってくれました。そこで怪我人の応急処置と家族へ電話させても らうことができました。私はなにも持ってないので、7時45分頃に妹のマ リザに電話をかけてスマート(訳者註:携帯電話会社)へ携帯の盗難を伝えるよう に頼みました。私の携帯は料金後払い(訳者註:フィリピンでは携 帯は料金先払いのプリペイドカードを使う人が多いのです。)なので、長距離電話をされるかもしれ なかったからです。その後すぐに、バランガイ(訳者註:フィリピンの行政の最小 単位)職員が、警官を従えて到着しました。8時過ぎ に我々は調書を取るため警察署(訳者註:バランガイの事務所ではないかという説も・・・?)に移されました。私は警察署の電話を使おうとした のですが、警官から警察署の電話はバランガイが料金を払わなかったため止 められてると言われました。被害品のリストを作り調書にサインして警察署を出る ことができたのは9時過ぎでした。

私の家の電話はプリペイドの残高不足で使えないので、近所の友人の家でスマ ートが私の携帯電話の回線を止めたか確認することにしました。 (中略)(訳者註:その後彼女は、本人からの電話でないため盗 難届が受け付けられていないことを妹から聞き、スマートに電話し続けたのですが繋がらず、10時半頃やっと電話回線を止めることに成功します。)

私の悲劇はここで終わりませんでした。何日かしてから、Smart Wireless Center に代わりのSIMカード(訳者註:こちらの携帯は、SIMカードという小さ なICカードに電話番号が記録されていて、それを差し替えれば別の電話機で同じ番 号を使うことができます。)を買いに行ったときに、私は1万ペソ(訳者註:約2 万円)も使用されていることを知り衝撃を受けました。それは、盗まれてからス マートが回線を止めるまでの3時間の間に、なんと629もの携帯電話の番号への e-load(訳者註:携帯電話の通話料を他の携帯にあげることがで きるサービス)が行われていたのです!
 最近では、日々ホールドアップに備えておくことが賢明です。いつ 強盗が襲ってくるか、誰を襲うかあなたは知らないのです。次の被害者はあ なたかもしれません。
1.取られてもいいのもだけ持ち歩く。
2.要求されたものをすぐに渡す。
3.強盗の目を見ない。
4.カードは1枚で十分(緊急用に最小限の残高のもの。他の被害者はATMまで 連れて行かれてお金をおろさせられたことがある。)
5.携帯電話会社の機能、例えばe-loadに暗証番号が必要か、e-loadできる額の上限があるかなどを確認すること。
6.できるだけ落ち着いていること。緊張すると馬鹿な真似をしてしまうかもしれ ません。
 生命は、どんなものよりも重要で、そしてとても壊れやすいものです。これをしっ かりと頭にいれておかなければなりません。(後略)(訳者註:最後は聖書からの 引用で締めくくられていますが、日本人にはなじみがないので省略しました。)

エドの感想:被害者にとっては、強盗そのものもショックだったでしょう が、それに輪をかけて携帯の通話料を1万ペソ(約2万円)取られてしまったこと がショックのようです。1万ペソはこちらの大卒の初任給くらいなのでショ ックを受けても無理もないですね。とにかく犯罪に巻き込まれたらホント下手に抵抗し ないで言われたとおりにした方が無難です。おそらく数万円分の強盗しただけで「強盗だ!」と叫んだ運転手を戻ってきて撃とうとする犯人達なのですから。 命あっての物種です・・・。
'04年7月 20日(火)


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