'05年03月15日(火)

刑務所立てこもり事件

法務省矯正局のシャツ

昨日テレビでCNNを見ていたら、逮捕されているアブサヤフメンバーの囚人によるマニラの刑務所の立てこもり事件が報道されてました。結局今朝の警官隊の突入で20人を超える死者が出たようです。そんなニュースで思い出したのは、去年行った モンテンルパ刑務所

厳密に言えば、今回囚人の反乱があったのは裁判の終わっていない未決囚を収容しているところのようですから、刑が決まって囚人のいる刑務所とはちょっと違うのですが、塀の中という点では外から見れば同じようなもの。何が思い出されたかと言えば、その時垣間見た刑務所の様子。こんな事が起こっても全然不思議じゃないなあ。

刑務所といえば、自由を束縛されたところ。お金なんて意味のない世界。そういう印象が普通だと思いますが、エドと日本に帰国する友人が訪れた刑務所で見たものは、内部で営業してる囚人の物売りや、小銭をねだる囚人達。なんで彼らは刑務所内で現金収入を得ようとするのか?そう、きっと地獄の沙汰も金次第なんですね。

刑務所内の広場の近くにあるバスケットボールコートで遊んでいる囚人がいたり、囚人達が刑務所内を自由に歩き回っていたり、知らないでこの中に連れてこられたら、塀に囲まれたフィリピンの小さな街に来たと勘違いしそう。日本の刑務所とかには多分あるだろう、規律とか秩序とかはここにはあんまり縁がなさそう。この国では、規律とか秩序なんて塀の中にすらないんですね・・・。端から見る分には、塀の外との違いがよくわからないようなとっても自由そうに見える空間、という印象を受けました。

実は前に日本のテレビの報道番組で、この刑務所の中に囚人の奥さんが泊まっていったり、囚人が携帯で外部と連絡を取ったりしている光景を見ていたので、実際刑務所内を見てもそれ程大きな驚きはなかったのでした。確かその番組では、お金さえあれば身の回りの世話をする人(別の囚人)を雇ったり、刑務所の配給ではない食材を刑務所内の市場で買って調理して(させて)食べたり、広い部屋を使えたりと地獄の沙汰も金次第の様子が報道されていました。

未決囚のテロリスト達が他の未決囚と違う特別の監視体制におかれていたのかどうかエドは知りません。今回は武器も看守から奪ったようなので、外部から持ち込んだ訳ではなさそうです。でも塀の内側でこれだけ貨幣経済が発達しているのを一度見てしまうと、多分何でもアリだろうな、などと思ってしまうのでした。写真は法務省矯正局の看守用?ポロシャツ(多分非売品)です・・・。

'05年03月15日(火)



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