'05年11月03日(木)

ペソ高

改正された付加価値税の施行が11月1日からだったこともあり、ガソリン代がまた値上がりしているとか、レストランへ行ったらメニューの値段が張り替えてあったり、なんでも少し値上がり傾向。

内税なので、あんまり普段意識しないのですが、フィリピンの付加価値税は10%で日本の消費税よりも高いのです。ほかの税金は、税金取るよりも自分の小遣いというか私腹を肥やすのに忙しい(?)税務署のお役人の大活躍のおかげで、全然国に入ってないみたいです。それでフィリピン政府の取ったのが、税務署員の汚職撲滅とか税金をまとも払ってない人を見つけてそこから税金を取ることではなく、付加価値税の範囲を拡大し税率も上げるという事のようです。簡単に言えば、取りやすいところから取るということでしょうか?

政府にお金が入れば入ったで、汚職などでそのお金がどこかへ消えて行く超非効率な体制もどうにかして欲しい気もしますが、この懸案だった付加価値税の対象範囲拡大などが実現したことを投資家は歓迎しているのが最近のドル高につながっているようです。なんでも今年も残り2ヶ月で40億ペソ(約80億円)増収になるとか。

税率も来年の1月から10%から12%になるようです。これは最近のインフレ率8%とかに比べると低いのですが、その物価の上昇と相まって庶民の暮らしは苦しくなるばかり…。庶民だけでなくマニラでは似非お金持ちのエドの暮らしも苦しくなりそうです。というのも、この前ドルからペソに両替しようとしたらちょっと前まで1ドル56ペソ前後だったのに、最近クリスマス前のペソ相場上昇とこの改正付加価値税法の施行のためか54ペソ代後半とペソ高になったから。

それでもペソ−ドル相場はそれほど大きくは動いてないからまだいいのかも知れません。最近の円安もあって日本円からペソへの両替レートはずいぶん悪くなりました。日本からのお客さんを両替屋に案内すると、1万円で4700ペソ台の表示、ほぼ2年前の水準です。去年は5400ペソ台の時期もありましたから、それに比べると約15%も目減りしてます。さらに1年で10%近く物価が上がってますから、1年前と比べると日本円は20%程度不利になったのではないでしょうか。

ペソと円の相場は結局、ドル円とドルペソの相場で決まります。フィリピンでは外国為替はかなり季節的に変動すると言われていて、これはGDPの10%とも言われる海外労働者からの送金がやはりクリスマスなどのイベント時期に集中するためなのだとか。そこでお得な両替時期を知るため、過去4年間の為替相場のデータを集め分析してみました。やはりペソドルの相場にはかなりはっきりした傾向があるように見えます。赤の線は4年間の平均で、黒の破線が重回帰分析による平均値のトレンドラインなのですが、過去のグラフからはこんな傾向が読み取れそうです。


  • 基本的にはペソ安傾向
  • 年初は3月頃までペソ安が進む
  • 4月から5月にかけてペソ高
  • 11月中旬まで緩やかにペソ安が進む
  • 11月下旬から少しペソ高傾向に転じる
  • つまり、クリスマスに外貨をペソに換えるからペソ高、そのあとペソ安、イースターの帰省や入学シーズン前の学費の送金などでペソ高、その後ペソ安、クリスマスでペソ高…、といったところでしょうか?なんか「宵越しの銭は持たねぇ」って感じの気風の良さですね。

    円ペソレートを決めるもう一つの要因の円ドルレートには、ペソドルレートほどのはっきりした傾向は見られませんでしたが、年末に若干円高気味な傾向があるようです。外国人投資家が会計年度末に円のポジションを良く見せたいからこのような傾向があらわれるのでしょうか?

    円ペソレートは、あまりはっきりした季節変動パターンがないので、特に両替に有利な時期や不利な時期はないのかも?過去のパターンなら、円からペソには年末が円高時期なのでペソへの両替にも少し有利かもしれません(グラフは100円が何ペソになるかで表示)。ドルからペソへの両替時期は2月末とか11月位が有利かもしれません。もちろんこれは単に過去の傾向なので、今後もそうだという保障は一切ありません。この予想がはずれて損をしてもエドは一切の責任を取れませんので、あらかじめご了承ください。

    '05年11月03日(木)



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