'05年09月30日(金)

これは便利!ホームプラグ

D-Linkのホームプラグ

前回のウイルスに続いてて、IT関連の話なので興味のない方には面白くないかもしれませんね。でもこれはなかなか便利な装置だったのでちょっとご紹介。

読者のみなさまの会社・学校にもきっといると思いますが、ちょっとコンピューターに詳しい人。大体そういう人の役回りは、部内のコンピュータ関連の便利屋さんのように自分の担当でなくても色々公式非公式な仕事が舞い込んでくるものと相場が決まっているのですが、日本を離れた海外だとその重宝され方も日本以上。こちらのフィリピン人のコンピュータ屋さんに頼んだところで、彼らは日本語OSや日本語の文字コードのことはわからないし、日本で買った周辺機器の設定マニュアルなんて読めません。それに何かPCに問題ややりたいことがある時に、自分で良くわかっていないことを人に説明するのは日本語ででも難しいのに、フィリピン人に英語で相談してするのはもっと大変。そんなこんなで、ちょっとでも詳しいそうな人で日本語で相談できる人がいるととても重宝されてしまうのです。

エドは日本にいたときシステム関連の仕事を少ししたことがあったので、ウイルス駆除、英語OSの日本語化や携帯やPDAの日本語化、起動しないコンピュータの診断、ルーターの設定、VPNによる常時接続、データベース設計、VBAのデバッグなどまで、仕事がらみからまったく私用のものまで、いろいろなものがどんどん舞い込んでくることになりました。とはいっても、ハードウェアの故障以外は、症状やPCの使い道などを聞いて、インターネットで調べたりマニュアルを見て設定すればすぐ終わる作業なのでそんなに大変でもありません。

この機械は、知り合いが買ってきたホームプラグという装置です。ホームプラグとは何かというと、電力線をLANケーブル代わりにできる装置です。この装置をコンセントにさしこむと別の部屋のコンセントに差し込んだこの装置との間がLANケーブルで結ばれたのと同じ状態になり、廊下にずっとLANケーブルを張らなくてもよくなるという便利なもの。「そんなの無線LANを使えばいいじゃない」と思われるかもしれませんが、コンドミニアムでも150や200uは当たり前、一戸建てだと狭くても400u位の日本では住めないような広いお家では、無線LANの使える範囲は遮蔽物などの影響もありかなり狭くなってしまうのです。無線LANだと電波が弱いと安定して通信できなかったりするので不便ですが、これなら有線のLANと同じように使えます。いいこと尽くめなんですが、日本では電波法の関係でまだ使えないようです。

便利なはずのこの装置も、なぜか購入した同僚の家では分電盤上のブレーカーが違う部屋同士の通信に使えなかったので、エドの家でもそうなのかを検証するために借りてきたのでした。

エドの家で試したところ、ルーターの置いてある場所と別の部屋のコンセントの間で試してみましたが、どこの部屋からも問題なく使えました。ルーターから離れた無線LANだと電波が届かない部屋でも使えるのでなかなか便利です。結局エドの家では問題なく使えたので、購入した方の家で使えない理由は、その家の電気の配線などのためだろう、とハッキリしたことはわからなくてあまりお役に立てませんでした。

使ってみたところ、通信速度は8〜10Mbpsで、一番早いサービスでも1Mくらいのマニラのインターネット接続環境ではこの装置が通信速度のボトルネックになることはなさそうです。また、この装置間の通信が暗号化されているためか、ミリ秒単位での遅延が発生しましたが、実用上は支障ないレベルでした。でもコンセントの形状を変換するプラグをつけて壁のコンセントに差し込んだ状態がちょっと不安定なのと、装置自体がかなり熱を持つので常時使うのはちょっと不安。

そんな不安はあっても、それを上回る便利さがあることも事実です。この装置自体は電圧が220-240V用なので日本ではたとえ買って帰っても使えないと思いますが、なかなか便利なので日本向けの物が発売されたら無線LANの届きにくい鉄筋コンクリートのマンション内などで結構需要はありそうな感じです。

マニラではほとんど見ないこの装置。香港・シンガポールなどでお値段は2台で1万5千円くらいだそうです。100Vでも使える製品も出ているらしいですが、日本でも使えるようになったら便利ですね。

'05年09月30日(金)



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