「東京には空がない」という有名なフレーズがありますが、排気ガスだらけの「マニラにも空がない」し、他にも「マニラにはきれいな芝生の公園がない」とか、日本に当たり前にあってマニラにないものはほかにも沢山あります。
もちろんビレッジの中とかには芝生の公園があったりしますが、青々とした芝生が広がるような良く整備された公園はなかなかありません。誰でも入れる公園だと、そこに住んでるんだか昼寝しているんだかベンチで寝ているおじさんがいるようなとこばかり。どうもここでは、何かを作ってもメンテナンスが貧弱なのか予算がないのか、すぐ荒れ果てるといった感じで、手入れの行き届いた芝生の公園なんてまずありません。
でもマカティの近くにもあるんです、青々とした芝生が広がる場所が。ただし、公園ではなく墓地ですが。
マカティからエドサを越えてフォートボニファシオのお店と空き地とコンドミニアムを見ながら進んだところがアメリカンミリタリーセメタリー。墓地といっても日本のそれと違って暗いイメージではなく、緑の芝生の斜面に十字架が等間隔にどこまでも並ぶ雰囲気は確かに公園感覚。フォートボニファシオ地区の中でも多分一番高台にあるためか風が爽やかで、幹線道路から少し離れているためか緑が多いせいか空気まで新鮮な気がします。
だけどエドはここでは公園のようにくつろげないのです。それは、ここへ来ると普段生活している上ではほとんど意識しないけれど、かつてこの地が戦場だったことと、その時の敵が日本軍だったことを思い出させられるからでしょうか。
中央の一番高台に円形の記念碑があるのですが、記念碑と言っても円形の劇場のような規模で壁面に戦没者の名前がぎっしり刻まれています。そしてここには写真のような第2次世界大戦の戦況等を示すレリーフもあり、アジア全域に戦線を拡大していく60年前の日本が描かれています。
エドは、中学でも高校でも歴史の授業は石器時代から丁寧に教えてくれる(?)先生のお陰で、ペリー来航や日露戦争で3学期が終わってしまったりと近現代史をほとんど習った覚えがないのです。そしてナウマン象や原人に関して知っていて、それが役に立った覚えは全然ないですが、海外(特にアジア)に住むと日本との関係では近現代史についての知識がかけているととっても困ったりします。フィリピンは特に反日感情が強いというわけではないですが、やっぱり赴任先の歴史の勉強は必要だと感じるのでした。
'05年04月03日(日)
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