'06年02月26日(日)

非常事態宣言その後

2006年2月25日のInquirer紙とStar紙の一面

非常事態宣言から一夜明けた昨日。新聞の紙面にはデモの写真などが載るものの、街は普段の週末と同じ。特に何事もなく、ただ警官の姿が多いかも、と言う感じ。ただ地方に通じる国道や高速道路に置かれた検問所は、いつもは無人のことが多いですが、昨日は自動小銃では武装した軍隊か警察がいていつもよりは少し物々しそう。でも道も空いてたし、お出かけにはピッタリ。

国会議員や元警察幹部などが逮捕され、反政府的な新聞社が家宅捜索を受けるなどの強権的な手法には、批判が高まっているようです。アキノ元大統領はアロヨ大統領の辞任を呼びかけているし、ラモス元大統領も支持表明を断っているとか。

元警察幹部はゴルフ場で逮捕されたらしいですが、まにら新聞によれば、不正賭博などへの関与などいろいろな疑惑の絶えない大統領の夫は、非常事態宣言下で優雅にゴルフを楽しんでいたのを、これまた非常事態宣言下に当初の予定通りゴルフを楽しんでいた邦人団体に目撃されていたらしいです。なんと言っても反政府的な新聞は「反政府的な扇動行為」に関与した疑いで捜索を受けているようですが、これでは大統領一族の不正を新聞などが暴いたりということもこれからは難しくなるのかも知れません。

言論統制については、もちろん望ましくないことは言うまでもありません。でもエドはいろいろな意味でのスポンサーよりの提灯記事を載せるフィリピンの新聞には正確・公正な報道はもともとあんまり期待していないというのも事実なのです。

デモが許可されない状態で、反政府デモに参加したら令状なしの逮捕もあるでしょうし、デモ参加者が警官に警棒でボコボコにされているシーンも放映されているので、これまでのようにわずかな日当で人々を動員するのも難しくなるかも知れませんね。「逮捕されてもかまわない」という信念に基づくデモ参加者はこれまで見るところ少なそうだし…。

あとは議会で非常事態宣言が承認されるのか、とか、どのくらい非常事態宣言が続くのか、が問題になるのでしょうね。もっと混乱したら軍部が実権を掌握する戒厳令がでるのかな。それで治安が良くなり、この国に規律がもたらされるのなら、エドは正直その方がこの国にとっていいような気もするし、そのような強い政府を待望する声も一部にはあるようなのですが、こんなのは危険な思想かな。まあ人望のないアロヨ大統領の下での強権発動はあんまりみんな喜ばないだろうな…。

そうだ、とりあえず政情不安のペソ安の間に両替屋に行っておかないと…。

'06年02月26日(日)



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