'06年01月16日(月)

ATMカードが出てこない!

現金で直接預金できるATMとその広告

前回のフィリピンの ATMネットワーク の話でも書いたのですが、エドのキャッシュカードは、BancNetとMegaLink(の限られたAMT)だけで使用できるのです。場所によっては使えないところもあって不便なので、Expressnetの中心的な銀行であるBPI(Bank of the Philippine Islands)という銀行にも口座を開いてみました。

開いたのは当座預金ではなくただのキャッシュカードの付いてくる普通預金口座。それでも維持するのに残高が最低2000ペソ(約4400円)も必要なのです。感覚的には常に2万円以上預けることを要求されているような感じでしょうか。もちろんCitibankなどよりは低めの維持残高ですが、これじゃ我が家のドライバーやメイドのように銀行に口座を持っていない人が多いのも無理はありませんね。

エドは口座開設の際に最低残高だけを預けておいて、そのうち預金しようと思っていました。でも追加の預金をする前にExpressnetのATMしかない場所で、急にお金が必要になって全額下ろしてしまったのです。最低維持残高を下回ったので、週明けに早速追加の金額とあわせて入金するため銀行に行きました。

ところで日本では小口の預金の場合、銀行の窓口でお金を預けたりすることはとても稀ですよね。窓口で預けようとしても、入り口に立っている案内係のおじさんにATMに誘導されてしまいます。

日本ではATMはお金を下ろすだけではなく、預けることも出来る機械が多いですよね。でもフィリピンでは、ATMは引き出し専用の物が多いのです。これはフィリピンに限ったことではなく外国ではほとんどどこでも同じだと思いますが、ほとんどのATMは引き出し専用で、預け入れできるATMがあっても現金を直接機械に入れるのではなく、封筒に現金を入れてからATMに入れるタイプ。機会が目の前で金額を確認しリアルタイムに口座に入金してくれるATMと違って、このタイプのATMを使うのにはちょっと不安があるのです。

それは行員が後から封筒を開いてあけて入金処理を完了するので、お金をちゃんと入れても足りなくなったりするとか…。アメリカなどでもこのタイプのATMを使うと、もちろん全然問題ない銀行もあれば、ちゃんと入れたはずの封筒内のお金が足りないといわれたりすることもあるとか。すべてにおいてサービスレベルのあまり高くないフィリピンでこれを使うのはかなり勇気が要ります。

それでエドは窓口で預金しているのですが、昼休みとかに行くと列が出来ていて時間がかかるのは日本と同じ。そんな時、この封筒を使わない預金専用のATMを見つけたので試してみました。でも紙幣のカウントを終わって預金ボタンを押すと、画面には「ATM card was Captured. 」とかの文字が表示され、カードが出てきません。ちなみにお金は全額ちゃんと返ってきました。

会社の近くにあるBPI支店のATMだったので、すぐに支店のカスタマーサービスに「カード出てこないんだけど。」というと、IDを持って3時半に来るように言われます。さて3時半には上司と打ち合わせ中で、銀行に行けたのは4時半ころ。しかしカスタマーサービスの女性は、「ATMカードはもう金庫の中。また明日来て。」と取り付く暇もありません。何とかならないの?とお願いするエドに、「だから3時半までに来なさいといったでしょ!」という対応。さすがに温厚なエドも「お前のとこのATMがいけないんだろう。そっちのミスだろ!」とやり返したのですが、それで金庫を開けてくれるわけでもないから言うだけ無駄でした。

翌日、昼休みに銀行に行き、昨日の失礼な女性は無視しカスタマーサービスの男性にIDを示しATMカードを取り返します。窓口は相変わらず混んでいるので、昨日と同じ預金専用ATMへ。一抹の不安がよぎりますが、再度預金にトライ。

でも結果は昨日と同じ。現金は戻されましたが、カードがATMからでてきません。すぐカスタマーサービスの対応してくれた男性に、「またカード取られた!」と告げると、昨日とは異なり鍵束を持ってきてATMをあけてカードをすぐ取り返してくれました。なんだ、やれば出来るじゃない。「カードが取られると今日1日はロックされてカードを使った取引はできないから窓口で預金してください。」ということなので、窓口での現金の預金をお願いしました。

混んでいる窓口を尻目に優先扱いで手続きしてもらったら、すぐに戻ってきた彼は「エドさん、口座が閉じられてます。だからATMカードが取られたんです。」とエドが思ってもいなかった新事実を告げるのです。どうも口座開設後すぐに全額引き出して残高が一旦0ペソになったので、自動的に口座が閉じられたということみたいです。それなら今日カード返してくれる時に教えてくれればいいのに…。

エドが口座を開設した支店の支店長に連絡すれば、もう一度口座を使えるようにしてもらえるというので、オフィスから支店長に電話して事情を話しました。「エドさん、それじゃ口座使えるようにしておきます。2000ペソが最低維持残高ですからね。こんどから気をつけてくださいね。」当然これで一件落着だと思ったのですが、甘かった!

翌日、3度目の正直で会社の近くの支店の預金専用ATMを試します。するとまた「カードを預かりました」というおなじみの画面表示。現金だけ戻ってきて、ATMカードは戻ってきません。すっかり顔なじみになったカスタマーサービスの男性に、「昨日支店長と電話で話したんだけど、またカード取られた…。」と告げるとカードを回収してきて、エドが口座を開設した支店にも電話で問い合わせてくれます。昨日エドの口座をオープンし忘れたのか、もしかしたら昨日再度使えるようになった口座が、その後の夜間のバッチ処理などで再び残高ゼロということで自動的に閉鎖されたのかも知れません。しばらく待つと、向こうの支店で再度口座を使えるように手続きが終わったという電話があったので、すぐに窓口で預金しました。

結局「ATMで預金する」ために3日も昼休みに銀行に通い続けたのに、窓口で預金するハメになりました。こんなエドのお間抜けな体験が、読者の皆様の

 ・ATMカードが取られたときの対処方法の参考になる(かも?)
 ・フィリピンの銀行のサービスレベルを知る
 ・根本的な原因を追究せず、目先のエラーだけに対応するフィリピン人気質を理解する

のにお役に立つことを願ってます!?エドはこの1件以来、カードが戻ってこないような気がしてATMによる預金は一度も試していないのでした。

'06年01月16日(月)



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