'05年06月14日(火)

フィリピン国旗

リサール公園のフィリピン国旗

ちょっと日本に帰るので最近バタバタと忙しかったのですが、5月の終わりころから街の色々なところで国旗が飾られているのをよく見かけるようになりました。6月12日の独立記念日の前後はあちこちで国旗が掲揚されるんですね。

でも、100年以上前にスペイン植民政府との戦闘の際に用いられたこの国旗のもとに国民が団結している、というにはほど遠いのがフィリピンの現状です。最近のフィリピンのニュースでは、大統領の夫・義理の弟・息子がフエテンという非合法賭博関連の上納金を受け取っていたという疑惑から始まり、昨年の大統領選の際のアロヨ大統領の携帯電話が盗聴されていたなんて問題も出てきました。

大統領の電話が誰かに盗聴されていればそれはそれで大問題ですが、この盗聴疑惑は、政府側の発表では盗聴テープには野党陣営が改ざんした偽者と本物があることになっていて、野党側は政府の言う偽物こそが本物で、これぞ大統領選の不正の証拠と、何がなんだかもう良くわかりません。

ここへ来て野党側の攻勢が激しいのは、アロヨ大統領の支持率が低いこともあるのでしょうか。客観的に見ればフィリピンの国家財政を立て直すために、付加価値税(VAT)の増税を行うことは不可避だったと思うのですが、増税はもちろん歓迎されません。特に金持ちがみんなまともに税金を払っていないし、税務署が腐敗しているこの国では、「増税の前に徴税率を上げろ!」という正論が通らないから、庶民の間にはあきらめにも似た怒りがあるのかも知れませんね。

それに加えて、世論調査では半分くらいの人が、去年の選挙で不正があったと思っているそうで、アロヨ大統領はいまやマルコス大統領以来の低い支持率らしいです。

それで野党勢力が大統領の退陣等を狙っていろいろ画策しているのでしょうか。独立記念日にもデモなどが行われたようです。でも、いくら新聞やテレビを見ても、何が真実なのかよくわかりません。いろいろ証言する人たちも、記者会見する人も、報道機関も、みんな思惑や裏がありそうな感じで誰も信用できなくなってきました…。推理小説が好きな方、フィリピンに来てニュースを見ていると下手なミステリーよりよほど面白いですよ、きっと…。

唯一、エドにとって良かった(?)のは最近ペソが安くなってきたことくらいかな。年初からのドル安で、フィリピンペソも昨年の1ドル56ペソから、53ペソ台まで高くなっていたのですが、一連の問題以降55ペソ台まで安くなってます。ちょっとまとめて両替しようかな?

'05年06月14日(火)



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