以前「ビレッジのゲート」でも書いたように、車で知人の家に行く時、その家がビレッジの中にあればゲートで車を止めて、訪問先を告げ免許証などのIDを預けてないと中に入れません。ビレッジ、あるいはサブディビジョンとかコンパウンドとか呼ばれる地域は、単に訳せば「村落・集落」や「住宅分譲地」ってところなんでしょうが、これらの単語がフィリピンで使われる場合は「入り口にゲートがある住宅街」(gated community)という意味で用いられています。ちなみに大使館の文書類では、それらの日本語訳は「居住区」となっているようです。
でもサルセド・ビレッジなんて言うこともあるけど、サルセド地域自体にはゲートはないので、コンドミも沢山あるしサルセド団地ってところが正確な日本語かも?それにフィリピン人の知人は、サブディビジョンとかコンパウンドは使うけど、ビレッジという単語をこの意味では用いないのです。マカティ近辺の高級住宅街は、コンドミニアム中心の地区も含めビレッジ、それ以外はサブディビジョンとかコンパウンドという呼称を使うんでしょうか?使い分け方はよくわかりませんでした。
とある日の夕方、エドが知人の家を訪ねるためにお出かけしたのは、ちょっと郊外にあるサブディビジョンとかコンパウンドで呼ばれる方の住宅街。ゲートのガードマンは、エドのドライバーの免許証をそれを入れている赤いケース毎預かり、代わりにプラスチックの大きな番号札をくれました。構内ではこの札をダッシュボードにおいておき、帰る時に免許証とまた交換してくれるのです。
用件が終わって帰る時、普段はすぐに免許証を返してもらえるのに、ドライバーとガードマンがなんかタガログ語で口論してます。後ろから車が来たので、とりあえず脇に車を停め直し、ドライバーは「私の免許証なくされました!」と言って車を降りてゲートに向かいます。同乗していたフィリピン人の知人も彼に続いてゲートに向かいました。普段はとっても温厚なドライバーが明らかに怒ってるし、エドもタガログ語は全然わからないのですが、ゲートではガード達に圧力をかけるのには大勢いるほうがいいかなと思ってとりあえずゲートに行ってみました。
エドのドライバーの持っている札の番号は48、でもどうも49の札を持っていたドライバーに間違えて彼の免許を渡したようです。札の番号はかすれて薄くなっていて確かによく見ないと間違えるかも?ゲートには、沢山預かっているIDがありましたが、その半分くらいはエドのドライバーと同じ赤いケースに入ったものなので、これじゃ中を開いて見ない限りどれも同じように見えます。ちなみにこの赤のライセンスケースはLTOという免許を出してるお役所で(売って?)くれるプロフェッショナルドライバー用のケースだそうです。日本の2種免許と違ってこちらのプロフェッショナル用免許は書類を添えて申請すれば誰でもとれるようなことを我が家のドライバーは言ってました。
ちょうど運の悪いことにガードの交代時間にもあたっていたようで、誰がいつ間違えたのかもはっきりしません。人の大事な免許証を強制的に取り上げておきながら、うっかりミスで他人に渡してしまう。とっても頭に来るミスですが、ここで文句を言っても免許証がすぐでてくる訳でもないので、「明日朝一番にセキュリティ会社のマネージャーに電話するぞ!」とか脅しながら、エドのドライバーの免許証を持っていったと思われるドライバーに連絡を取らせてさっさと回収させるしかなさそうです。このドライバーが免許証の住所にちゃんと住んでいたり、免許証が違うことに気が付けばすぐにでてくるのかも知れませんが、どうかなあ?
どちらにしろ、免許が帰ってくるまで運転してもらうと多分免許不携帯ということになってしまうので、同乗していたフィリピン人の知人の薦めで翌朝一番に公証人のところで免許のコピーをそえた紛失の証明書を作ってもらうことにしました。このお代150ペソ(約300円)。
ちなみに翌日ガードの誰かがアラバンよりずっと南のくだんの運転手の家まで行って我が家のドライバーの免許を取り返してきたみたいです。脅かした甲斐(?)があったのか、結局なくされてから2日程度で取り戻すことができたのでとりあえずよしとしましょう。
'05年03月07日(月)
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