'05年05月21日(土)

エドの奨学金

通知票

新学年を控えて、学費・学用品の購入など何かと物入りな5月、エドがドライバーから借金を申し込まれた前回の話の続きです。

エドの前にこのドライバーを雇っていた人からは、「彼は子供が4人いるからねえ、契約書には書いてないけど5月には5000ペソ(約1万円)くらい学費の足しにあげてたよ。」なんて話は聞いてました。こんな話を聞くと「フィリピン人の使用人を甘やかしてはいかん!」などという人もいますが、これまで10数年以上日本人のドライバーとして働いてきた彼は、なにより安全運転だし、その仕事振りを目にしてるとあげてもいいかな、と確かに思います。

それでこれまでは前の雇い主同様、5月ごろやはり6000ペソ(約1万2千円)程度を学費としてあげてました。それに、このお金が子供の教育に使われるなら、もしかしたらフィリピンの将来のためになるかも?そんな思いもあったので。でも運転手に「子供達ちゃんと勉強してる?」と聞くと「いいえ、大体バスケしてます。サー」という返事が返ってくるのです。う〜ん、ただお金をだすだけだと、日本のODAと一緒であんまり効果がないかも?

フィリピンの対日感情がいいのはODAのおかげという話もたまに聞きますから、他の国向けのODAよりはそういった面で効果があったのかもしれません。それでも、最近日本からの援助で高速道路を作ろうとすると地元の町長が工事中止を要求したり、日本のJBIC(国際協力銀行)のフィリピン支店長(?)が政府の高官から訴えられたりと、援助される側に謙虚さがないというか、なんかあつかましいなぁと感じるニュースをよく目にします。

まあ、それはさておき、今年のエドの奨学金は、ドライバーの子供達の学力向上という目標を達成すべく、使途自由だけど条件付きの8000ペソ(約1万6千円)の奨学金ローンにすることにしました。

その条件とは、一定以上の成績で返済不要にするというものです。4人の子供たちは各学期(3ヶ月)に一度テストがあり、その成績が通知表に載るのですが、数学と英語の平均が80以上なら500ペソ(約千円)返済不要。4人が4学期とも英語と数学で80以上ならば1ペソも返す必要がありません。

その奨学金を返済不要にする条件なんですが、どのよう設定したらよいかわからなかったので、とりあえずドライバーから子供達のReport Card(通知表)を借りてきました。各科目の成績が多分100点満点で並んでいて、4人が4人ともほとんどの科目が75から79。エドにはこれがよいのか悪いのか、見方がよくわからませんが、ドライバーは75以下だと落第と言ってましたから、すれすれなのであまりよいとは思えません。

この通知票を見せたら、エドの同僚のフィリピン人女性は「我が家の子供達がこんな成績だったら、私発狂するわ、きっと・・・。」なんて言ってたので、少なくとも大卒の女性にとってはこの成績は耐えられないほど悪いみたいです。

それで「最低でも80はないと・・・。」という彼女の意見を取り入れて英語と数学の平均で80以上を返済免除の条件にしたんですが、ドライバーは早くも諦め顔。「うちの子がそんな成績取れるわけない・・・。」

でもこれを機に少しでも彼らが勉強するようになってくれればいいな。何より彼らのためだし、この国のためになると思うんだけど・・・。エドは甘いかな?

'05年05月21日(土)



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