'06年10月18日(水)

風雲!ビナイ城

去年(2005年)のマカティでの反政府デモの光景

ずいぶん前のテレビ番組ですが「風雲!たけし城」が最近フィリピンで放送されているそうなので、こんな題名にしてみました。ところで「ビナイ城って何?」と思われたかもしれませんね。これはエドの勝手な命名ですが、現在マカティ市長のビナイ氏が立てこもるマカティ市役所の事なのです。ちょっと中心部から離れたところにある21階建ての庁舎は、付近に高い建物がないこともあってまるでお城みたい。というのはこじつけ過ぎかな?

写真のような昨年の反アロヨデモもすっかり下火になりました。そこで始まったのがアロヨ大統領の反撃。次々に反大統領派の市長が汚職などを理由に内務省から職務停止に追い込まれたりしています。

フィリピンの政治家で清廉潔白な人なんてまずいないでしょうから、叩けば埃が出るということなんでしょう。だから問題は汚職してるかどうかではなくて、その政治家を叩けるかどうかなんでしょうが、大統領弾劾やクーデター未遂などを乗り切ったアロヨ大統領は、反アロヨ派を徹底的に叩き始めたようです。

パサイ市でも反アロヨの市長が職務停止になったし、ついに反アロヨの急先鋒だったマカティのビナイ市長にも職務停止命令が…。まあ、昨年あれだけマカティ市長が毎週のように市内の目抜き通りでの反アロヨ派のデモを許可したから、そのしっぺ返しがということなんでしょう。一応大統領府は、与党の市長なども同じような職務停止になっていることをあげ、政治的な意図はないといってますが、誰も信じてないですね。

職務停止以外にも、先月だったと思いますがビナイ氏の側近で警護責任者が、休日にバイクのツーリングに行く集合場所で銃撃を受け死亡した事件もありました。犯人はもちろん捕まってませんが、側近の暗殺やら、反大統領派の自治体首長を狙い撃ちにしたような職務停止命令とか、何でもありという感じです。

エドの知り合いは、ビナイ市長よりの下院議員のところで働いているのですが、彼によればもちろん反アロヨ派もマカティ市長に対するこのような動きは大統領府内のスパイ(?)から情報を得ていて3ヶ月前から知っていたのだそうです。職務停止命令が発令されたのもその内容も事前にわかっていたので、実際に命令書がマカティ市役所に届く前に抗告の申し立てがされたのだとか。

市役所に立てこもった市長。市役所の周りには市長支持派が集まったり、反アロヨのアキノ元大統領も激励に訪れたりしてるらしいです。そのためなのか分りませんが、昨日は朝からやけに街角の警備する部隊が目に付きました。警察かと思ったら、自動小銃で武装した彼らは黒っぽい制服の空軍の部隊でした。

エドが聞いたところ、どの程度の規模か分りませんが、他にも国軍部隊がビサヤなどからマニラ首都圏に移動してきて配備されているようです。爆弾テロの噂もあるし、もしかしたら大規模な騒乱なども想定されてるのかも知れませんね。多分何もないと思いますが…。

'06年10月18日(水)



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