昨日の土曜日、4月9日は「英雄の日」でお休みでした。といっても、週休2日だと全然関係ないですが。さてもともとこの日は、第2次世界大戦の際、マニラのマニラ湾をはさんだ対岸のバタアン半島でアメリカ・フィリピン軍が日本軍に降伏した日なのです。そして、降伏後捕虜8万人が100km離れたところまで歩かされて1万人近くが亡くなった「死の行進」による犠牲者を悼む日「バタアンデー」だったのが、「英雄の日」となったんだそうです。
この前の日記のアメリカンセメタリーでも、感じたのですが、戦争で多くの犠牲を出しているこの国の対日感情がとても良いのには、生活するものとして随分救われています。中国・韓国の反日デモに見られるような戦争を体験していない世代の反日感のようなものが、この国では見られないような気がします。日本大使館前のデモといえば、出稼ぎ芸能人への入国規制強化反対とかだし・・・。
昨日のバタアン半島のサマット山で行われた記念式典には日本の大使も出席したみたいですが、まにら新聞の伝えるところによれば、「日本大使に温かい反応」だとか。写真は昨年撮ったサマット山の頂上の十字架です。
エドは昔、韓国を旅行した時、知り合った韓国人の家に泊めてもらったり、飲みに連れて行ってもらったりしたことがあります。個人レベルでつきあえば、とても親切で全然反日というわけではない人からでも、飲み屋でマッコリとかがすすむと、「…の教会で何百人もが日本軍に殺された。知ってるか?」とか「日本でどんな歴史を習ったか?」とかの質問されたりしたことがあります。ペリー来航で3学期の授業が終わってしまったエドとしては、仕方ないので「理系だったから歴史は習わなかった。でも日本の教科書は間違ってるというのは知ってるよ。日本政府はとんでもないよね。」とか適当に酔った頭でその場で反感を買わないように適当に答えてしまいました。とりあえず嘘も方便ってことでお許し下さい。でもきっと彼らは歴史を知ることの重要性をエドに言いたかったんだろうと思います。酔って歴史問題を持ち出さなければ、とってもいい人達なのです。
中国・韓国の反日感情が教育の成果だとしたら、この国の好意的な反応も教育の成果なんでしょうか?でもエドが知る限り、残念ながら地理や歴史を詳しく知ってるフィリピン人にはあまり会わないので、単に知らないから・・・ではないかという気もします。この国では、収入に結びつく教育(英語・IT・医療など)というのは盛んなような気がするのですが、歴史はやっても儲からないってことなのかな・・・。
何はともあれ、戦争のない平和な世の中になって欲しいものです。そして、そのためにはきっと歴史(ナウマン象や原人ではなくて特に近現代史)を知ることが絶対に必要という気がしました。
'05年04月10日(日)
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