Kaz様の日記に引き続き、先月マニラの鉄道紹介をご投稿頂いたマニラのN様から、マラカニアン宮殿 に行った時の日記をご投稿頂きました。マラカニアン宮殿は、エドも一度行ってみたいと思っていた場所なんですが、赴任した時から「クーデーターへの警戒で閉鎖」、「テロへの警戒強化で閉鎖」、「反政府デモのため閉鎖」などなどいつも閉鎖されているような話を聞いていて、無駄足を恐れてこれまで行ってみたことがありませんでした。土曜日が一般公開の日ですね。今度行ってみよっと。N様、どうもありがとうございました。
行ったのは「カラヤアンホール」という、最初に建てられた大統領府の建物です。大統領府といっても、現在は博物館として整備されていて、基本的に申し込めば誰でも見られるコースです。土曜日がその見学日だそうですが、私はコネクションを使って頼んだので平日に行ってきました。でも見学料の50ペソは払いました。
この建物は1921年の建築で、アメリカが植民地支配していた時代です。マルコス大統領時代までは執務室として使われていたそうですが、マルコス政権が倒れてアキノ大統領の時代になり、この建物は博物館に改装されて今日に至っています。建物全景の写真で、真ん中に入り口がありますが、その左側の2階がマルコス大統領がピープル・パワーに倒されてハワイに去る際に民衆に手を振ったバルコニーです。その翌日には民衆がなだれ込んで略奪や破壊があったそうです。
2枚目の写真はケソンルームというかつての大統領執務室です。小さいですよね。ケソン大統領は第2代の大統領で、在任期間は1935年から1944年までです。でも雰囲気は当時のままのようで、ケソン大統領が使った机などがそのまま保存してあります。
3枚目はカラヤアン・ホールというかつてのダンスホールで、マルコス大統領もパーティを催したホールです。現在は歴代大統領にまつわる品が陳列してあります。
この大統領府はパッシグ川に面して建てられていますが、川向こうにはゴルフ場があったそうで、1番ホールはこの大統領府にティー・グラウンドがあり川向こうへ打つようになっていたそうです。いまでもそのティー・グラウンドが残っています。
また、マルコス大統領時代の品としてイメルダ夫人の肖像画もかかっていますが、まるでお姫様のような描かれ方をしていて、かつては本当にきれいだったんだろうなと思ってしまいました。
フィリピンは16世紀から約400年間、スペインの植民地だったので、大統領はアメリカに支配権が移った1899年に初代アギナルド大統領が誕生してから14人しかいません。この間にも戦争やピープル・パワーといわれる政変で何度も混乱期を経て現在に至っています。現在は大統領制を廃止して議院内閣制に移行するための議論が進められています。大統領府をみながら、この国はこれからどうなっていくのかと考えてしまいました。
'05年11月18日(金) マニラのN様
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