1億総中流(だった?)の日本から来ると、この国の貧富の差はあまりに大きくていつまでたってもその感覚に慣れることが出来ません。お金持ちは先進国の人と同じか、あるいは平均的な先進国の市民よりよっぽど良い暮らしをしています。そうかと思えば、学校にも行かずに裸足で花を売る子供達がビジネス街の真ん中にもいたり…。
別に今でもスペインの植民地で貴族がいる階級社会というわけではありませんし、カースト制度があるわけでもありませんから、階級を示すには所得・資産による分類が広く使われています。もともとは、マーケティングのセグメントの分類で使われていたのでしょうが、この階級区分ごとの選挙の投票行動予測など、広くフィリピン社会一般の状況を話すときにも使われます。
ただ、みんな良くこの区分を使うものの、なんだか使われる際に微妙に解釈が異なって使われているような気がします。
下記が今日の新聞に新聞別購読者調査で載っていた収入による区分です。新聞も発行部数を競うだけでなく、影響力のあるクラスに読まれていることも重量な指標みたいで、メトロマニラのAB、C+に一番読まれているのがInquirer紙だと言いたいみたい。
実際のマーケティングなどでは、収入だけではなく、資産の保有状況なども加味して分類であることが多いですが、ここは単純に収入だけで比べてみましょう。「1ペソ=2.3円」の実勢為替レートで計算すると日本人はほとんどクラスABになります。そこで購買力平価による1ペソの実際の価値「1ペソ=10円」で換算してみて試してみてください。どうですか、あなたはクラスABでしたか?
家計の1ヶ月の収入
AB P50,001以上
C+ P30,001以上
C- P15,001以上
D P 8,000以上
E P 8,000未満
ちなみにマニラに来ると日本人も階級社会フィリピンを反映して、階級を意識するようになってくるのだとか。その序列だと、現地採用の社員などに比べて、駐在員は給与・住宅・車などの待遇が良いので特権階級みたいに思われているようです。でも所詮は宮仕えの身。それに「わが社の命運はフィリピン現地法人に掛かっている!マニラで頑張ってくれ!」なんて言われて送り出された人は聞いたことないし…。エドが思うにフィリピン駐在が出世コースからは遠くはなれたところにあることは間違いありません。
'06年10月04日(水)
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